この問題については各人各様で決定的な結論は未だ出ていないという感である。
先ず珈琲の品質が変化しているし、排煙などの環境問題の関係もあり、現状でこれらに対応できる装置は未解決になっている。ここでは先ず珈琲を美味しく焙煎することから話を始めよう。
私が独自で焙煎機を作るための最強の味方は富士珈琲機械の初代社長の寺本豊彦氏であった。当時彼の工場に頻繁に行っては相談に乗ってもらったものだ。
彼とは「珈琲の販売に目方売りでなく升目売りの制度ができたら日本の珈琲はいっぺんに良くなるだろう」という笑い話をよくした。というのも、珈琲豆を焙煎によっていかに大きく膨らますかによって珈琲の成分を引き出しやすい状態に持っていけるかが決まる。珈琲豆の体積を膨張させ、細胞組織の空間に抽出の湯を浸透させやすくすることが大切なのである。
この焙煎の度合いが難しく、焙煎の浅い珈琲豆は十分に豆が膨らまない。一方、珈琲豆を膨らますことに気を取られすぎてしまうとオーバーローストの珈琲豆になってしまうのである。
これらを踏まえ、ランブルの焙煎機は強火の遠火方式になっている。
さて、いかに上手に仕上った珈琲も活かすも殺すも冷却が左右する。とくに小型の焙煎機にはこの欠点が目立つ。アメリカン・ローストくらいではあまり影響がないが、フレンチ・ロースト以上の深煎りになるといかに短時間で冷やすかで味が決まる。冷却に時間がかかると余熱でオーバーローストになってしまうのである。使用する焙煎機の容量から考えて、少しオーバーに思えるほどに冷却装置が強力であってほしい。
焙煎が終わった珈琲豆はすぐに急冷却する |